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『甘い夜の果て』吉田喜重

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『甘い夜の果て』
吉田喜重

1961年 / 松竹 / 白黒 / 85分


  • 監督 吉田喜重
  • 製作 佐々木孟
  • 脚本 吉田喜重 前田陽一
  • 撮影 成島東一郎
  • 音楽 林光
  • 美術 芳野尹孝
  • 録音 中村寛
  • 編集 杉原よし

出演

  • 津川雅彦
  • 山上輝世
  • 日高澄子
  • 滝沢修
  • 瑳峨三智子
  • 浜村純
  • 佐々木孝丸
  • 杉田弘子

『スチャラカ社員』『喜劇 命のお値段』を後に監督する前田陽一が、吉田喜重とともに脚本を執筆した。『ろくでなし』に続き津川雅彦が演じる主人公・手塚の心境が表れているのは、乗り物によって映し出されているところであろう。漠然とした成功を夢見る青年の欲望、凋落と、その裏に潜む社会の醜悪さが痛烈に描かれている。


手塚二郎(津川雅彦)はデパートに勤める野心家の若者である。ある日手塚は、はるみ(山上輝世)という女性と知り合い、彼女をバー”爽”に紹介する。”爽”はデパートの社長令嬢・爽子(瑳峨三智子)が経営するバーであり、はるみを紹介することで爽子に気に入られようというのが手塚の目論みであった。自身の出世と金のために嘘に嘘を重ね、はるみ、爽子、そして大手鋳物会社の社長未亡人である雅枝(杉田弘子)と関係を結ぶ手塚。一時はすべてがうまくいったように思えたが、雅枝の会社が赤字になり抵当に入ってしまう。夢破れた手塚は早々に雅枝と縁を切るが、苛立ちが災いし、働いていたデパートをもクビになった。自暴自棄になった手塚を、爽子は「女を食い物にするしか能のない男」とあざ笑う。